10代(teen)のための新潟日報その名も「T型日報」  テーマは郷土料理です!!

 

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「郷土料理がヤバい」

「学校じゃ教わらない新潟は、郷土料理が教えてくれる」

「郷土料理をきかれて のっペ と答えるようじゃ、まだまだ甘いね。」

10代(teen)のための新潟日報その名も「T型日報」テーマは郷土料理!!

『にいがた郷土料理ワンダーランド』

昨年末、新潟博報堂さんよりお声がけ頂き、企画、内容、撮影、レシピ作りと

約半年かけてゆっくりと練ってきた企画が、

ついに本日2014年6月28日新潟日報朝刊折り込みにて発行されました。

***

「テーマは郷土料理でいきたいんです。のっペとか、そういうのって色々ありますよね?」

と最初に言われたとき、正直あまり乗り気になれなかった。

やっぱりのっぺなんだ…と…

そこで私達ダイドコが答えたのは、

「そんなもんじゃないっすよ。郷土料理はヤバいです。」

という一言。

そして、

「子供たちには是非おばあちゃんの冷蔵庫をあけてみてほしいのです。同居してる子も少ないだろうし、おばあちゃんと言っても人のうちの冷蔵庫あけるようなもの。それってとてもハードル高いと思うけど。その中にはきっと自分のアイデンティティーが入ってるから。きっともう、これから生きてくために必要なアイテムの詰まったワンダーランドですよ。」

と、冒険もののシェフの大好きなあの漫画のように表現出来ないかと言う話しになりました。

(実際のところ、10代の現代っ子のおばあちゃんは40代〜60代。郷土料理に親しんだ世代と言うわけではなく、正確には大おばあちゃんの冷蔵庫の中という事になりそうですが…これまたハードルが高い。)

それが紆余曲折経て、こうした形に。

実は本当に色々ヤバい郷土料理。

・郷土料理ってなんかひかれない

・作るのめんどくさそう。

・味薄い

・そもそも作れる人なんて家にいない。

という声が聞こえてきそう。

確かに十代の子供たちと郷土料理、田舎料理を繋げる事って

とても難しいと思っていました。

そして、やっぱり題材として、とても難しかった。

郷土料理の凄いところは、食べられていたその時々の時代背景がそのまま手に取るようにわかるところです。そして、それによって消えていった文化や食材、習慣などの意味もはっきりと見えてくる。その当時の事を知らなくとも、教えてくれるのです。

確かにこういった郷土料理も田舎料理も、いつか消え行くレシピなのかも。

実際、けんさ焼きやひこぜん、灰汁笹巻きなどの「炭」を使用した保存食的メニューは、家庭に竃や囲炉裏が消えた今、作るのはかなりやっかいで、炭をおこすのも含めてアクティビティー要素たっぷりのアウトドア料理になってしまいかねません。

鮭を使用した料理も同じ事。それこそ丸ごと一匹をひと家族で食べきる事が出来る家庭など、ほんのわずかでしょう。

そもそも現代の世の中では、炭を使用して食材をアルカリ性に保ったり、香草や薬味、加工法や味付けなどで殺菌作用を強化したりするような事をしなくとも、冷蔵庫やストッカーなど便利な保存グッズがあるのです。

だから消え行く。文明と共に。

でも、例えばその炙ったおにぎりをより保存のきくようにとつける味噌は、エゴマの葉をすりつぶしたペーストを使用していた(=エゴマの葉はαリノレン酸を多く含む俗に言うオメガ3系の油脂です)といいます。殺菌作用ももちろんあります。(エゴマは刺身のつまなどにも使われますね。)昔の人はこうして、食材と調理法、そして保存や食べ方なども自然と自分の健やかな生活のために身体に取り込んでいけていたのでしょう。

と言う事を考えると、やけに今の私達の暮らしには「野生の勘」や「生きるための知恵」が足りないような気がするのです。食べなくても良くなった、面倒な調理をしなくても良くなったという今の風潮は、「便利」という事はあれど必ずしも身体にいい事だとは言わないのかもしれません。

消え行くレシピに敬意を表して、と言うのはそういう意味で。

私達が今生きている時代まで、ご先祖の方々がきちんと学んで作りきちんと食べ、

命をつなげてきてくれた事に感謝をするための郷土料理。

もう一度立ち止まって、

この機会に色々考えてみることが出来ました。

あとは、実際に食卓に並べてもらえる郷土料理を目指しました。ダイドコのテーマでもある「食卓」しかも10代に向けた食卓。これにはまた、沢山の問題が隠れていると思ったからです。

個食、偏食、「食べる」という事を楽しむ事を知らない。これは全て今の家族単位の生活リズムにも関わってきます。

そうした中で、もう一度見直されてもいいのではないかと思ったのが、きりあえや赤ひげの佃煮、煮菜などの保存食や常備菜でした。これには一時のブームで終わらせたくない要素が詰まっていると思います。

と言うわけで当初予定には無かったレシピもとりあえず21点だけですが作成しました。

ですがこれまた難しい。材料分量共に一番「目分量」であるのがこの郷土料理、家庭田舎料理です。その点、熊倉、佐藤にも苦労をかけました。

物語や伝説、寓話のようなものも多々あり、文献に関してもほとんど定かではないものが多く、調べ物にも時間がかかりましたし、それをそのまま文章にするのがいいとも思えないというところで、小さくて些細に見える選択を繰り返しました。

本当に難しい局面もたくさんあって何度も企画に対しての気持が挫折しそうになったとき、やっぱり支えになったのはまわりにいる料理上手な地域のお母さんおばあちゃん、関わっている生産者の皆さんの姿勢と、そして、消え行くレシピにについてともに真面目に考え続けるメンバーの存在でした。

ここまで関わってこれたのはみなさんのおかげです。

また、急なお願いにも関わらず、撮影にご協力して下さったフードカメラマンの志賀真人さん、

本当にありがとうございました。

実は撮影の皿には青人窯さんのものや、たねん.さんで購入したものkokajiyaの古道具なども使用させて頂きました。

重ねて、関係者の皆様、お世話になりました。ありがとうございます。

そして、最後に、新潟博報堂担当の小林さん、日下部さん、佐藤さん。

素敵な企画にお声がけ頂きましてありがとうございました。

頂いたこの機会を大切に、これからも丁寧に紡いでいきます。

 

さて、これで終わらせるにはもったいなすぎるこの企画、せっかくなのでダイドコでも引き続き地道に育てていけたらと思っています。実際、提案した郷土料理今回は当初全部で21個のメニューを提案しました。そして、追加で5個のメニューを出し、その後もどんどんと面白い郷土料理のネタは掘れば掘るほど止まりません。

これからは長い長いライフワークとして、ダイドコ、そして一人の命をつなぐための台所を司るお母さんとしても、この消え行くレシピの保存活動に関わっていこうと思っています。

最後になりましたが、

先人の知恵と消えていくレシピに敬意を表して。

 

〜 DAIDOCOはおばあちゃんのレシピ保存活動を応援します。〜

 

おばあちゃん、お母さん、本当にありがとう。

2014年6月28日 DAIDOCO/foodrop  山倉あゆみ

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